キューバ25日目(革命博物館と15年物のラム)


さて、明日がとうとう出国の日となった。最後のハバナをどう楽しんでやろうかと考えた結果、行き損ねていた革命博物館に行くことにした。キューバに来たのだから、革命の何たるかを学びカストロの仕掛けるプロパガンダを目一杯に浴びてこようじゃないかと思い、昼過ぎにカーサを出た。

革命博物館

革命博物館はセントロ・ハバナのカピトリオから2、3ブロック北の方にある。もともと旧政権のバティスタが住んでいたか家だったか何かで、とにかく立派な建築物だった。荷物は持ち込み禁止のため入り口で預ける。入場料は1人4CUC。博物館員はまじめで、[チップをせがむどこぞの博物館]とは大違いだった。

展示は革命のだいぶ前の時代についても説明されていて、かなりボリュームがある。キューバの博物館にしては英語のキャプションも多く、図やグラフを使って一生懸命説明しているのだということがわかった。プロパガンダ色が強いとはいえ、キューバ革命はかなりの奇跡ではないかと思った。そしてその後もアメリカから独立を守り続けているキューバのしぶとさ、粘り強さ、したたかさは無条件で脱帽するしかない。解説は1990年頃まででそれ以降のものは無かった。つまりソ連崩壊後のキューバ混迷の時代には触れていなかったのだ。展示が追いついていないのか、説明したくないのか、何なのか。

建物の外には有名なヨット「グランマ号」がガラスの中に展示されている。カストロ兄弟、ゲバラたちがメキシコからキューバ南部まで乗って来たレジャー用のヨットだ。思ったより大きいという印象だったが80人くらいを乗せて来たとは驚きだ。しかもキューバ西部やハバナではなくて南部サンティアゴキューバの近く、今のグランマ県だというからすごい。

キューバ革命についてざっと見たところで何も分からなかったが、とりあえずノルマを達成したような気分に成ってオビスポ通りへ向かった。ちなみに、時間がなくて見きれない人は、レセプションかどこかでチケットに一筆サインをもらうと同じチケットで翌日以降も入れるのだとか、博物館員のおばあちゃんから聞いた話でトライはしていない。

15年物のラム

今日の目的はもう一つあった。ラムを飲む事だ。それも普通のラムじゃない。ハバナ・クラブの15年。キンセ・アニョスである。

ラムはサトウキビから作られる。蒸留して内側を焦がした樽に入れて数年寝かせると色がついてブランデーやウィスキーのような茶色になる。寝かしていた年数が長いほど、樽の色がついて茶色くなる。味もまろやかに、甘く、風味が良くなるのが一般的だ。日本でもハバナ・クラブを何度か飲んだことがあるが、飲んだことがあるのは主に割る為の白いやつ、3年、5年、7年までだったと思う。15年ものの存在を知ったのはバラコアのレストランでのことだった。1ショット10CUCと聞いて飲むのを諦めたが、どうやらボトルで買うと150CUCもする代物らしい(ちなみに7年と15年の間のランクに、ボトルで40CUCする「セレクシオン」もある)。

ボトルの値段を知ってから妙に飲みたくなってしまったのだ。だが150CUCも出すつもりは無い。日本で売られているかどうかは知らないが、日本で買ったらかなり高いだろう。1杯だけ、1杯だけ飲んでもいいじゃないのか。話のネタに、教養として、ほら、理由ならいくらでもあるぞ、と。

さて、キンセ・アニョスを出す店は意外と多い。ラム博物館(1ショット20CUC)は当然としてオビスポ通りのきれい目のレストランなら置いてある。前日のリサーチではオビスポ通り終端、広場の角にある緑のテーブルクロスのレストラン(Guarpoのような名前)で12CUCで売っていたのが最安だった(バラコアでは10CUCだった)。ということでさっそくオビスポの終端へ向かう。

バーカウンターまで行ってショットの値段を確認する。やはり12CUCだ。さっそく注文するとボトルを持って来てくれた。ブランデーグラスに注がれたキンセちゃんは深い色をしていた。15年も樽に閉じ込められたあげく、ボトル詰めされるとは不憫である。次は俺の胃袋に閉じ込めてやろう。いらん情報だが15年前はたしか俺が中学生か高校生のころだ。

匂いはシルクのようにまろやかで、黒蜜のような甘さがある。ツンとしたアルコール感はまったくない。アルコールが飛んでいるのではないかと心配したくらいだ。だが飲んでみて自分の教養(?)のなさを思い知った。アルコールが飛んでいるのではない、ひたすらに丸いのだ。なぜだか美味しんぼに出てくる海原ユウザンを思い出した。あのオヤジならなんと表現するのだろうか。この驚きを文字化できない自分がもどかしい。ちびちび味わいながらもキンセはきれいになくなった。

ちなみに1ショットは45ミリリットル。実際はもうちょっと入れてくれたようだが、750mlのボトルからは15杯ちょっとのショットしか採れない。1ショット12CUCで売ると、1本まるまる売って180CUCになる。ボトルが150CUC(この国に安売りの酒屋などない)だから儲けは30CUCということか。1ショット売るごとに2CUCが儲かるらしい。

チェイサー用に小さな水のボトルを頼んだが1.5CUC取られた。売店で0.5CUCで売られている代物だ。小さい水は1本売るたびに1CUCも儲かる仕組みらしい。おかしな国だ。

書いてて思い出した。バラコアのレストランなんか、ボトル1本うったところで儲けがないではないか。。。国営レストランだったのだろうか、高級ながら料理もやたら安かった。。

結論

ハバナ・クラブのキンセアニョスはトライすべし。値段はバーに寄って違う。調べるべし。べしべし。

りょう の紹介

東京都品川区で生まれ育つ。サービス業、ホステスクラブ、海外ボランティア駐在員、レストランバー、コンピュータ会社などを経て独立開業。2011年から休業し、夫婦で1年ちょっとの世界一周へ。現在は帰国してイクメン父上に勤しむ。好きな食べ物はナス。言語や歴史に興味あり。コンプレックスは字が汚いこと。好きな言葉は「とりあえずビール」でポッドキャストでは世界のビールを飲み歩く「Beer the World(ビーアー・ザ・ワールド)」を担当。

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