ハンチャイニーズという偏見


台湾も今日で4日目になる。

部屋でだらだらしたり、近所を散歩したり、町を歩いて目にとまった看板を日本風に読み上げて楽しんだり、友達にあちこち連れて行ってもらってたらふくご馳走になったりしているうちに4日目になるわけだが、ぼつぼつ気になることがある。

それは、台湾人の「他人に対する気配り」についてだ。まだ4日しかいないのに「台湾人は〜」などと偉そうに言えるもんでもないが、いかんせん自分の「チャイナイメージ」は10年前に訪れた北京のそれであり、北京人のそれであった。つまり、列には並ばない、人を押しのける、ゴミは好きなところに捨てる、食べ散らかす、他人のことは気にしない、等々。

まぁ落ち着け。俺は別にそれを批判するつもりはないんだ。そういう国や地域があっても別にいいし、みんな違ってそれでいいわけ。ただ、俺が感じたことのある”ハンチャイナ(漢族的中華)”はそういう無頼漢的な気質なんだと勝手に思い込んでいた。

んが、台湾に来てから毎日その偏見がぶちこわされている。台湾人はまず電車で席を譲る、年上の人、子連れの人、とりあえず譲る。譲るのが普通。列にも並ぶ、しかもきれいに並ぶ。人を押しのけないし譲り合ったりもする。ゴミを分別する。しかも、他人が間違って分別したのを正しく直してあげたりする。トイレには「いつもきれいにお使いいただきありがとうございます」的中文が書かれている。そして実際きれいだ(謝謝)。車いすの人も多く見かける、中国語ができない俺にも優しい。総じて「何かができない人に対して寛容」な印象を受ける。

繰り返し言うが、別に大陸の文化(?)や気質がおかしいとか言いたい訳じゃない。中国大陸でも田舎の方では中国人にたいそうお世話になったし、そのことはここに書いておきたい。不思議に感じたのは、どうしてこんな違いが出るのか、ということ。

大陸の方には人が多すぎるからなのか?でも台湾の人口密度は世界ランク上位に入るくらい高いし平野も少ない。経済力の違いか、イデオロギーなのか、それとも教育なのか。南国独特の何か?

答えは1つではないだろうし、答えを検証するのも難しそうだ。ただとりあえず、民族と気質(や文化)をあんまり結びつけて先入観を持ちすぎてはまずい、ということを強く感じた。

しかしまぁ、自分も「ニホンジン」のイメージを背負っているのかと思うと、うかつにアホ面しながら町を歩いてもいられない。気をつけねば。

りょう の紹介

東京都品川区で生まれ育つ。サービス業、ホステスクラブ、海外ボランティア駐在員、レストランバー、コンピュータ会社などを経て独立開業。2011年から休業し、夫婦で1年ちょっとの世界一周へ。現在は帰国してイクメン父上に勤しむ。好きな食べ物はナス。言語や歴史に興味あり。コンプレックスは字が汚いこと。好きな言葉は「とりあえずビール」でポッドキャストでは世界のビールを飲み歩く「Beer the World(ビーアー・ザ・ワールド)」を担当。
カテゴリー: 台北, 台湾 タグ: パーマリンク

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