このグルメ紀行では、タイ料理やベトナム料理に押されてあまり目立たないカンボジアの食べ物を紹介し、これから旅をする人たちに食べてもらい「カンボジア料理もうまいじゃないか、うむむ」と唸ってもらうというシリーズである。
あまりに地味すぎて、あまりに定番過ぎて、ブログで紹介するのを忘れていたものがある。
クメール語で「バイサッチュルーク」、直訳すると「ごはん豚肉」である。
基本スタイルは白いご飯の上に焼いた豚肉。少し塩っ気のある味付けになっていてご飯によく合う。通常は、小鉢かさらの横に野菜のピクルス(そんなに酸っぱくなく、やや甘い)が添えられ、甘辛いチリソースも付けてくれる。
こちらはシェムリアップ市内で食べたバイサッチュルーク。煮卵を載せてくれてスープも付いて4000リエル(1ドル)。煮卵付きは定番ではない。ここにピクルスやソースを載せて食べてしまう。
これはプノンペン市内のオシャレ風食堂で食べたバイサッチュルーク。6000リエル。オサレな店の白飯はなぜかお椀形に持ってくれるのだ。もちろんピクルスとソースはついている。
値段
市街地であれば安めの所で3000リエル〜。高くなればなるほど豪華にはなるが、すくなくとも野菜のピクルスはあるはず。持ち帰りをすると容器に入れてくれて、野菜とソースを別々の小袋に入れてくれる。
注文の仕方
屋台風の所でガラスケースの中に焼き豚があれば「バイサッチュルーク」の可能性大。「ミエン バイサッチュルーク?」と聞くべし。「ミエン」は英語で言うと「have」の意。文末に「テー?」をおいて聞くのが完全な文だが、「ミエン バイサッチュルーク?」のブロークンな形で十分通じる。
ある場合、「ミエン」と答えてくる。ない場合は「オッ、ミエン」と言われるはずだ。「ミエン」と言われたら、次は値段を聞くべし。「モイマーン?」で通じる。ガイドブックなどには、「タライポンマーン」と載っているものが多いと思う。「タライ」は「値段」で「ポンマーン」は数量や分量の多寡を問う言葉だが、実生活では「モイマーン」あたりを良く耳にする。「モイ」は「1」の意味で、「マーン」は「ポンマーン」と同じ意味だろう。「モイマーン」だけで「1ついくら?」という表現になる。
安いところから、「バイポアン(3000)」「 ブンポアン(4000)」「プラムポアン(5000)」「ポモイポアン(6000)」などと答えてくるはずだ。プノンペンなどでは「プラムポアン」を「ペヤムポアン」となまって表現することが多いので注意。「6」をはっきりゆっくり発音すると「プランモイ」だが、実生活では「ポモイ」やさらに早い場合は「ンモイ」のように聞こえることが多いと俺は思う。
値段に納得したら、「ソームモイチャーン」と言って注文すべし。この時に指を1本立てるとモアベター。「ソーム」は英語で言うなら「Please」。食事を注文するときに文頭に置く。「モイ」は「1」で「チャーン」は「皿」の意。
白飯をおかわりすべし
ごはんをがっつり食べたい人は、白ご飯だけをおかわりすることができる。肉を余らせた状態で「ソームバイソー」や「ソームバイソー・モイチャーン」というと白ご飯だけを出してくれる。1000リエルあれ十分な量のごはんをくれるはず。
「バイ」または「バーイ」は「ごはん」でもあり「食事」の意味もある。それに「ソー」つまり「白い」という形容詞を付けることで「白米」の意味になる。「ソームバイソー」は「白いご飯をください」となる。
持ち帰りすべし
バイサッチュルークは持ち帰りにも適している。持ち帰りに追加料金はかからない。ピクルスやソースも付けてくれて非常に便利である。節約旅行の朝食に、ブランチにぜひともバイサッチュルークを食べるべし。べしべしべし。
カンボジアであれもこれも食べたいという人は、指さし会話帳がオススメ。
情報センター出版局
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