キューバ15日目(バラコアからカマグエイへ)


バラコアとも今日でお別れだ。何があったわけでもないが、今までの中で一番のんびりと過ごせたよい場所だった。カーサの家族に礼を言って外へ出る。心残りだったので、バスターミナルまでは海沿いの道を歩くことにした。バラコアの海にも礼を言った。

すると

トラブル発生

町の北側にあるターミナルにはバスの発車時刻の1時間前についた。うちらは堅実派なのだ。そして2日前にパルケ近くの旅行会社でバスを予約しておいた俺は堅実男なのである。

ターミナル内の窓口には大柄のおばちゃんが、楽しそうでもなくつまらなそうでもなく、ニュートラルな顔で仕事をしていた。窓口の前には常に3〜4人の人が並んでいたが、1人あたりにつきかなりの時間を費やしてチケットの発券をしているようだった。キューバらしいテキパキ感のない窓口だ。しばらく待つと俺の番が来た。

俺「ねぇセニョーラ?今日のカマグエイ行きのバスを予約してるんだけど、どこで金を払えば良いの?」
セニョーラ(以下「セ」)「あんたたちの名前は?」
俺「RyoとMegumiだよセニョーラ」
セ「予約リストに名前がないわ。席が余ってたら乗れるかもしれないからそこで待ってなさい」
俺「え?どうして名前がないの?2日前に予約したんだよ?」
セ「どうしてって?ないからないのよ、忙しいからそっちで待ってないさいよ」
俺「いやいや、どうしてないかって聞いてるんだよ、Cubatur(クバトゥール)の代理店で予約したんだよ?」
セ「でも名前がないのよ」
俺「2日前に、パルケのクバトゥールで予約したら、男の人がどこかに電話して、たぶんこのオフィスでしょ、そしたら電話で今日の日付、発車時刻、うちらの名前とスペル、国籍まで電話で伝えていたんだよ、予約が入ってない方がおかしいじゃない」
セ「そうね、おかしいわね。だからそこで待ってなさい忙しいのよ」
俺「じゃあクバトゥールに電話して聞いてくれないかな?担当の人はうちらのこと覚えてるはずだよ」
セ「もう!!あ;ldかjf;qぺおうぃうふじこ!」

聞く耳持たずだった。日本ではあり得ない対応だが、俺が訪れた国の中では比較的スタンダードな模範解答だ。そのくらいの模範解答で引き下がる俺じゃない。クバトゥールがどこかに電話して予約を入れたのは事実。電話の相手はほぼ確実にビアスールのオフィスであるはずだ。このオフィス内でなにかしらの手違いがあって予約が取れなかったのだろう。リストだって何だって手書きの国だ。それに見るからに暇そうじゃないか(笑)。

俺は堅実なだけじゃなく、文句もきちんと垂れるのだ。大柄のおばちゃんは話にならないので、ターミナル内の別の部屋で安楽椅子に揺られてくつろいでいるお偉いさんとおぼしきセニョールに声をかけた。

俺「セニョール、お願い事があるのですがよろしいですか?」
セ「言ってみたまえ」
俺「実はかくかくしかじかで、予約したはずが入っていないので、クバトゥールに電話して確認していただきたいのです」
セ「それは大変だ。だが、外にいるあのハゲに頼んでくれないか、私たちは少々いそがしいのでね」

と暇そうなおじさまは言った。さっそく外で巡回しているおでこの上がったおじさまに話しかけた。

俺「すみません、かくかくしかじかなので、クバトゥールに電話をして確認していただけませんか?」
お「よし、俺が何とかしてやる」

このおじさまの対応は早かった。先ほどの窓口のブースに行っておばちゃんと言い争いを始めた。

お「予約が入っていないって本当か?」
セ「知らないわよ、名前がないのよ」
お「でも代理店の人はここに電話していたらしいぞ」
セ「でも忙しいのよ」
お「あのチーノにチケットを先に売ってやれよ、たのむよ」
セ「わかったわようるさいわね。売れば良いんでしょ忙しいのに」

どうやら話が付いたようだ。俺は先に3人が並んでいる列の最後尾についた。20分ほど待って(長いだろおい!)ようやく俺の番になった。

セ「リオ!これがあんたたちのチケットよ」

と、笑顔でチケットを手渡してくれた。あんなに文句を言ってやり合ったのに、名前を呼んで笑顔(本物の)を見せてくれるなんて、おばちゃんも憎めない。

むっとしていた俺も思わず笑ってしまい、「フィナルメンテ(ようやくね)」と言って受け取った。最後までバラコアは期待を上回ることをしてくれる。

それからすぐにバスは出発し、エメラルドグリーンの海を左手に見ながら山の中へと伸びる道に向かっていった。

旅情報

バラコア発13:00、終点ハバナ
途中下車はサンティアゴ・デ・クーバと細かい地点いろいろ。カマグエイに停車した後は一気にハバナへ行く。
バラコアからカマグエイに行くには昼の13:00以外にはなかった。1人16CUCで所要時間11時間だった。

りょう の紹介

東京都品川区で生まれ育つ。サービス業、ホステスクラブ、海外ボランティア駐在員、レストランバー、コンピュータ会社などを経て独立開業。2011年から休業し、夫婦で1年ちょっとの世界一周へ。現在は帰国してイクメン父上に勤しむ。好きな食べ物はナス。言語や歴史に興味あり。コンプレックスは字が汚いこと。好きな言葉は「とりあえずビール」でポッドキャストでは世界のビールを飲み歩く「Beer the World(ビーアー・ザ・ワールド)」を担当。
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キューバ15日目(バラコアからカマグエイへ) への4件のフィードバック

  1. くまさんケーキ のコメント:

    さすがです!予め現地で使える言葉を勉強しているから、そんなトラブルが起きても対応できるのですね。大きなトラブルに巻き込まれないように気をつけて旅行続けてください。

    • りょう のコメント:

      こんばんは!
      この程度のトラブルは、たぶんトラブルと言わないのかもしれませんが。

      キューバに限らず、日本的な意味での「仕事に対する熱心さ」は今まで訪れた多くの国ではレアな方ですね。もちろんプアなサービスに対して現地の人は普通に怒って文句をいいます。でも怒られた方も全然へこんだ様子を見せません。自然のような気もするし、不思議に思うときもあり。。

      日本のサービスは受ける分には最高ですが、提供する側になると大変ですね。

      • くまさんケーキ のコメント:

        なるほど、自分の仕事の品質、仕事に対する考え方は国によって違うのですね。日本では考えられないですよね、(私の前の仕事は特に。)お互いにおおらかなんですかね。日本にもそんな一面が少しでも有ったら…、無理ですね。

        • りょう のコメント:

          難しいところですね、バランスって。
          急いでいるとき、困っているときにはやっぱり日本品質のサービスは本当にありがたいものです。
          一方で、(自分が急いでないときに)数分遅れただけで謝罪アナウンスを連発するような電車は気持ち悪いと感じます。

          キューバ人はそれでも、まともに仕事をする方だとは思います。与えられた仕事に関しては、ですが。
          いろんな国にそれぞれ違う仕事風土があると思いますが、その中でもキューバは本当に特殊ですね。
          やらなければいけないことは一応やる。あえてサボろうとはしない。クオリティを上げようともしない。
          それよりどうやって自分の懐に現金を回すか(給料以外に)という創意工夫をこらしているようです。
          本当に変わった国です・・・

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