キューバ17日目(飛び込みカーサ)


カマグエイで2泊したあと、3日目の朝に宿のパパにタクシーでバスターミナルまで送ってもらった。

前日、公衆電話からバスターミナルに電話をして確認していたとおり、お昼12:20発のバスがあった。西洋人とアジア人の旅行者が数人、バスを待っていた。

キューバの風景は美しい。国のど真ん中を突っ切るので、平地、サトウキビ畑、牧草地を通り過ぎる。途中、地平線に囲まれるという滅多にない体験もした。

目的地はサンタ・クラーラ。到着したのは夕方、ちょうど日が暮れた後だった。今回はカーサを予約していない。サンタ・クラーラのバス停と中心地セントロは歩いてもなんとか行ける距離なので、今回は中心地まで歩いて自力でカーサを探してみようと言うことになった。

ターミナルを出ると客引きが一斉に話しかけてきた。するーっと無視してターミナルを離れ、町の方角へ歩みを進めた。途中、おっさんがしつこく話しかけてくる。

お:「カーサかカーサか?カーサあるぞ安いぞ、どうだ?」
俺:「自分で見つけるからいいよ」
お:「遠いぞ遠いぞ、馬車で行こうぜ馬車」
俺:「いいってば、歩くからほっといてくれ」
お:「よしこうしよう、馬車代は俺が出す、気に入らなかったら宿に泊まらなくてもいい、見るだけだ」

サンティアゴ・デ・キューバで一発噛まされたジョニーの件があったので、こいつが仲介役(カーサに住んでいる張本人ではない)だる場合はごめん被りたい。着いていくなら客引き=宿の住人、という構図の方が良い。値段交渉の裁量もあるし、何か問題があったときの責任も負わなければならないからだ。

俺:「そこ、おっちゃんの家なの?」
お:「そうだよ」
俺:「おっちゃんがそこに住んでるの?」
お:「いや、俺のママが住んでるんだ、俺も昔はそこに住んでた」
俺:「本当なのそれ?嘘だったら泊まらないよ?」
お:「もちろんだよ、一緒に行こうよほら、そら、今すぐ」

そういって強引なおっちゃんは馬車を止めて20人民ペソを支払った。支払う前になぜかうちらに20人民ペソを見せつけてから支払った。めぐみは始終浮かない顔をしている。やはりこういう強引な輩は一癖あるのがセオリーである。ま、泊まらなかった場合は馬車代の20人民ペソを支払ってあげよう。妥当なプライスだ。めぐみとそう話していると、

お:「いいか、この場車台は俺が出すんだ、おまえらは払わなくていいからな。宿も気に入らなければ泊まらなくて良いからな、安心しろよ」

ずいぶんと親切なおやじじゃないか。

馬車が止まるとおっちゃんが一目散に建物に入っていく。怪しい・・・。うちらも荷物を持って建物の中に向かう。おっちゃんはうちらを外で待たせたかったようだが、怪しさ全開なので制止を振り切って一緒に入った。

すると

中はとても広く、家と言うよりホステルだった。今にはすでに、数人の客引きと西洋人のカップルがいた。あぁ、この二人はカマグエイからサンタ・クラーラに向かうバスで一緒だった二人だ。休憩時間に少し立ち話をした。どうやら二人は客引きに連れてこられて泊まるかどうかの思案中だという。

俺:「なぁ、おっちゃんのママはどこにいるんだい?」
お:「・・・・・」

近くにいた客引きたちも渋い顔をしている。なんだ、やっぱり嘘じゃないか。俺たちを外で待たせたのは、宿の主と口裏を合わせる予定だったのだろう。

俺:「じゃ、うちらはこれで失敬するよ」
お:「まかせろ、別の宿があるんだ」
俺:「もういいよ、おっちゃんとは一緒に行かないよ」
お:「あそこの角を曲がったところだ、すぐ近くなんだ」
俺:「グラシアス!アディオース!」

馬車代を払うべきか迷ったが、来る途中にあんなに大見得を切られてしまっては仕方ない。彼に恥をかかせるわけにも行かないのだ。馬車代は払ってもらうことにした。

さて、中心地まで来ることができたわけだが、これから飛び込みでカーサを探さなければならない。どうしようかと考えていると、めぐみが「あっちに行こう」と自信ありげに言う。

どうやら馬車に乗ってここに来る途中、俺とおっちゃんが話している間にカーサマークのついたドアを探していたとのこと。さすがめぐちゃん!あっぱれである。めぐみの観察によると、馬車道を引き返して角を1つ曲がったところすぐにカーサが2件ほどあったとのこと。さっそくその方向に引き返した。

しばらく歩くと、カーサマークをつけた扉があった。普通のサイズの、普通の雰囲気の、アットホームな外観だった。こういう宿の方が良い。ホステル風のところよりも家庭的な所で暮らしたいじゃないか。

ドアをノックするとなかから超上品なおばあさまが出てきた。物腰が柔らかく、とても優しそうだ。1泊25CUCと高めだが、朝食を付けてもらうことにした。明日は予約が入っていて、夜までに部屋を変えなければならないという。しかし部屋の雰囲気が良く、おばあさまの感じがよかったので1泊だけでも泊めてもらうことにした。飛び込みカーサもなかなか楽しいじゃないか。

 

夕食は、最初に連れて行かれたカーサにいたイタリア人とイギリス人のカップルとご一緒した。30人民ペソでワンプレートが食べられるすばらしいレストランで会った。翌日はこの2人とサンタ・クラーラを観光することにした。

 

りょう の紹介

東京都品川区で生まれ育つ。サービス業、ホステスクラブ、海外ボランティア駐在員、レストランバー、コンピュータ会社などを経て独立開業。2011年から休業し、夫婦で1年ちょっとの世界一周へ。現在は帰国してイクメン父上に勤しむ。好きな食べ物はナス。言語や歴史に興味あり。コンプレックスは字が汚いこと。好きな言葉は「とりあえずビール」でポッドキャストでは世界のビールを飲み歩く「Beer the World(ビーアー・ザ・ワールド)」を担当。
カテゴリー: キューバ, サンタ・クラーラ タグ: パーマリンク

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