キューバ24日目(ただいまハバナ)


そのバンは9時すぎにカーサの前に到着した。後部座席には先に一人アジア人の女の子が乗っていた。バンはかなり新しいと見える。シートもきれいで見ただけで乗り心地がいいのだろうということが分かった。

リアーナとパピートに別れを告げてバンに乗り込んだ。先日の客引き体験後、カーサに帰って足がないことをパピートに話すと、パピートが運転手をしている友達を紹介してくれたのだった。パピートが彼に電話をして、彼と直接電話で話した。25CUCだった。パピートの紹介ということもありディスカウントは試みなかった。もちろんカーサに迎えに来てカーサまで送ってもらえるというのだから悪い条件ではない。バンもきれいで新しく、シートの乗り心地は抜群だ。

9人乗りのバンに8人が乗った。俺の目の前に1人分の座席を開けたままシエンフエゴスの方向へ向かう。途中、ヒッチハイクをしている家族がいた。乗りたいのはどうやら女性1人だけのようで、シエンフエゴスの病院まで行きたいのだという。妊婦さんのようにも見える。一度は断ったようだが、しばらく走ってからUターン。ドライバーはやはり乗せてあげることにしたようだ。

しかしこの女性、見るからに具合が悪い。どこが悪いのだろうか、定期検診なのだろうか、よくわからないがぐったりしている。ほかの乗客が枕を渡した。途中、何もないところを走っているときにこの女性が運転手に頼んで車を止めた。車から降りた女性は国道脇の方に少し歩いて行ったようだった。トイレかもしれない、こんな時に女性の後を目で追うほど俺は野暮じゃないぜ、と知らぬ振りをして前を向いていた。

彼女が戻ってからしばらく走った。どうやら彼女は車酔いをしているように見える。別の乗客が今度はキャンディを渡した。あぁ、そうか。間違いない、車酔いだ。体調が悪いのか、車に乗り馴れていないのか、それにしてもトリニダーからシエンフエゴスの道はガタガタ小刻みに揺れる。

車はやがて市街に入った。どうやらシエンフエゴスのようである。車の走りかたからしても、どうやら病院を探しているかのようだった。と、その時、前の女性(枕に顔を埋めていた)の口から滝のような液体が飛び出て来た。

 

 

ゲロだ。

勢いよく出た嘔吐物は枕にバウンドして真後ろの俺を直撃した。交通事故に会った人が事故をスローモーションのよう感じるというが、ゲロもスローモーションで飛んで来たのが見えた。もし俺がプロボクサーだったらこのゲロを避けられただろうか、俺はガードする事もできずに全身でそれを受け止めた。

すぐにバンは止まった。

近くの家から水をもらい、服を洗う、バッグを洗う。バックパックから服を出してTシャツを着替える。あぁ、ついてない。
妊婦さんはその後病院へ、俺は着替えて再びハバナへ。途中、ガソリンスタンドで休憩をしたときにTシャツやら何やらを洗うことができた。

と、いうわけで、ただいまハバナ。
夜はカーサで知り合った日本人と一緒にカバーニャ要塞へ行った。

りょう の紹介

東京都品川区で生まれ育つ。サービス業、ホステスクラブ、海外ボランティア駐在員、レストランバー、コンピュータ会社などを経て独立開業。2011年から休業し、夫婦で1年ちょっとの世界一周へ。現在は帰国してイクメン父上に勤しむ。好きな食べ物はナス。言語や歴史に興味あり。コンプレックスは字が汚いこと。好きな言葉は「とりあえずビール」でポッドキャストでは世界のビールを飲み歩く「Beer the World(ビーアー・ザ・ワールド)」を担当。
カテゴリー: キューバ, ラ・ハバナ タグ: , , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

WP-SpamFree by Pole Position Marketing