さて、久しぶりのブログ更新。今日はクスコにあるコカ博物館に一人で行って来た。
サン・ブラス地区にあるこぢんまりとした博物館だ。
入場料は、大人10ソル、学生5ソル。入り口にはおばちゃんがいて、最初におばちゃんがコカについての歴史や用途について英語混じりのスペイン語で教えてくれた。
結構しっかりと話してくれる上、質問にもなんでも詳しく答えてくれた。
ペルーやボリビアでは、コカは嗜好品として楽しまれていること。コカの葉をヨーロッパに持ち帰った人たちが、化学的な材料を入れて精製したものがコカインになったこと。コカは栄養がたくさん含まれていること。マグネシウムが血流の循環を促すので高山病対策に効果があること。満腹感を持続させるため、食後にコカ茶を飲むこと。コカの葉はあり得ないくらい大量に摂取しない限り体に害はないことなどなど。
興味深かったのが、外国が「コカの葉の栽培を辞めさせろ」と言ってくるのに対して、コカは文化、栄養、医療のために使うものだから辞められない。精製されたコカインを買う方が悪い、という論理があったことだ。
たしかに一理ある、それにペルー人のコカイン使用率はそこまで高くないらしい(リマを除く)。コカの葉にこんなにアクセスが良いが、不法に作られたコカインやコカインとの中間薬物であるコカ・ペーストのほとんどが輸出されているらしい。また、コカイン産業と輸出は農村の貧困と深く関係しているようだ。
どっちが正しいとか悪いとか、そう簡単に言える話ではなかった。たとえば、日本の「海苔」を精製するとすさまじいドラッグができてしまうとして、一部先進国のマフィアとジャンキーがそれをほしがり、日本が「海苔」の生産を辞めさせろ、と言われたらどうだろうかと想像してみた。「買う方が悪い。俺に鉄火巻きを喰わせろ」というだろう。日本だったら(ペルー政府も一応やっているが)海苔の生産をすべて管理して不法な生産をさせないと言うことで対応できると思う。ペルー政府はそこまで管理し切れていない。コカ・コカインの産業が、農村を支える産業になってしまってもいる。ペルーでは許可を得ればコカを栽培できる。ただし政府に税金を払うらしいので、隠れて栽培する人も多いとか。
博物館ではコカインに対して当然ながら、反対の立場を取っている。
また、コカの葉を使った製品も購入できる。ただしペルー・ボリビア以外に持ち出さないように注意(加工品は大丈夫と言っていたが、念のため)。また、外国とは言え、日本の法律では「麻薬」に指定されているコカの葉の所持・譲渡は日本の法律に触れる恐れがあるので知識として知っておいた方が良いと思う。刑法2条というものがあり、国外犯にも適応されるのだとか。
いつも楽しく聴いてます。
コカ博物館なんてあるんですね!
南米いつか行ってみたいです。
以前コロンビアに住んでいる友人が、南米の人はコカを噛んでいるから
歯がボロボロ(もしくは、黒い。だったかな?)と聞いた気がするのですが、実際どうですか?
もし、南米にまだ滞在予定でしたらチェックしてみてください(^.^)
うわ!りとるみいさん、ついにコメント欄に登場ですね!ありがとうございます。
コカ博物館はクスコの他にもプーノにありました。あとこれから行くラパスにもあるようです。
コカの葉を噛むと葉がぼろぼろ(か黒く)なるのか、ちょっと観察してみますね。
次の国ボリビアもコカ文化が盛んなところなのです。
ペルー編はブログが追いついていませんが、ちびちびアップしていきますのでまた来てください。
マチュピチュの遺跡はどうでしたか?石積みは当時のインカの人だけで作ったのだろうか。鉄製の道具は無かったのでは?まだ発掘されてない石積みの段々畑も沢山あるそうですので、そのまま残しておいてほしいです。コカの不法栽培の摘発、焼き払いのテレビを見ましたが、生活のために栽培している貧しい農民の途方にくれる様子は哀しいです。
マチュピチュは度肝を抜かれました。石積みはインカの人だけでやったんだと思いますよ。動物も手伝ったのかもしれませんが。当時は未だ鉄器はなかったと思います。
コカの件は難しいですね。ペルー自体、いろいろしっかりしていないので管理できていないところが多いんじゃないかと思います。見栄えは良くても中身は適当な国、というのが今の所のペルーの印象なので。