はてさて、調査担当の人から電話が来る約束の月曜日が来た・・・のだが。
なるべく早い時間に電話してくれと言っておいたので、日本時間の10:30(タイ時間8:30)から携帯の前で正座して待っていたのだが、待てども暮らせども(暮らしてない)いっこうに電話が掛かってこない。
そういえば、前日の日曜日に国際電話で不在着信が数件あったな、と思いつつ。催促の電話をすることにした。もちろん、あのKが電話に出ないことを願いつつだ。
ピポパポピポパポ・・・・RRRRRRRRRR
男「はい、UCカード紛失・盗難担当のKでございます」
またお前か!
勘弁してくれ。お前とはもう1時間半も話したじゃないか。まだ話したりないのかお前は。
俺「あの、スキミングのことで電話した俺と申します。調査員の方から電話が来ないのですが」
K「はい、え?ええぇ。あの、お名前と会員番号をお願いします」
俺「・・・・・」
「振り出しに戻る」である。
仕方なく、住所氏名年齢生年月日電話番号好みのタイプ、その他諸々を説明してようやく本題に入ることができた。
K「ではさっそく、何点かお伺いしたいことがあるのですが」
え?
いや待て、おかしいだろ?お伺いしたいのは俺の方だ。なぜ電話が来ないのかお伺いしたい。
K「○月○日のキャッシングについてですが・・・・」
始まった・・・・
俺「あの、前回にもお話ししてると思うんですが?」
K「申し訳ございません。こちらの方で漏れがございましたのでお伺いさせていただきたいと思います」
なんだよそれ。
俺「はい、どうぞどうぞ。 何でも聞いてください」
その後、前回の電話と同じようなやり取りがしばらく続いた。しかし、前回カードを止めているのでネット上の明細が確認できなくなってしまった俺は、確認に色々と手間取り、若干イライラしてきた。そもそも、カードを止めるとネット上の明細が見られなくなるとは聞かされていなかったのだ。
俺「あの、ひょっとして、その確認が終わっていないから、調査担当の方から電話が来ていないということなんでしょうか?」
K「さようでございます」
先に言え先に
K「それと、先日ですがお客様の携帯電話にお電話させていただきましたが・・・・」
俺「はい」
K「・・・・」
俺「ええ。不在着信がありましたが」
K「あの、私どもの方でお電話をさせていただきましたが」
俺「はい。それで・・・・?」
K「ご迷惑をおかけしました」
は?
お前は何がいいたんだ?
いや待て、ここは一つ日本仕込みの空気を読むパワーを発揮しようか。
・確認漏れの確認が取れないと調査員から電話が来ない
・昨日不在着信があった
・ご迷惑をおかけした
つまり、昨日の電話は確認漏れを確認するための電話だったのではないだろうか。そして、今確認が終わったので「すでに電話した件は気にしないでくれ」ということじゃないだろうか。おそらくKは、この内容を敬語を交えて伝えることができなかったため、言葉足らずな「ご迷惑をおかけしました」という表現になったのではないだろうか。
さすが俺。さすが日本人である。文脈リーディングの天才である。
俺「先日の電話は、この確認漏れを確認するためだったんですね?今確認をしているから、先日の不在着信はもう気にしなくて良いってことですね?」
K「ご迷惑をおかけしました」
・・・・・日本語で話してくれ
ようやく確認が終わり、調査担当から電話をしてもらえるようになった。
そして待つこと数時間後・・・
携帯が鳴った!
と思ったら見知らぬタイ人からの間違い電話(笑)
そしてさらに数時間後、ついに調査担当の方から電話が来た。
この対応がすばらしかった。
調査担当のUさんは、俺が報告した13件がペルーとドミニカであったことを指摘し、この時期に俺がどこにいたのかを聞いてきた。もちろんアルゼンチンにいたし、最後の引き出し数回は飛行機に搭乗していた時間だ。
渡航歴を話し、怪しいATMに心当たりがないかどうか(アンティグア)や、カードが盗まれたかどうかなど、聞いてきたが、どれも誘導尋問のようなものではなく性善説を元にしたような優しい対応だった。Uさんは、カードの情報が盗まれて偽造されたと結論づけた。
結果、スキミングの分については引き落としの対象外、一部で繰上返済をしてしまった分については補償をしてくれると言うことになった。Uさんすごい!
しかも、カードの再発行は海外のゲストハウスに送れないと聞いていたのに、ゲストハウスにも送ってくれると言うし、カードを利用停止にした状態で送って、電話連絡が来たらカードの利用が開始できるという非常にきめ細かな対応をしてくれたのだ!
不正利用があって大変だったでしょうという優しい言葉までかけてくれたし、ご夫婦で長期の旅行とはいいですね、などパーソナルな対応をしてくれるスーパー調査員だったのだ。
新しいカードは1週間ほどでゲストハウスに届き、古いカードにはさみを入れた状態で、パスポートのスタンプがあるページをすべてコピーして返信することとなった。
ようやく、ドミニカスキミング事件(たったいま名前をつけた)は解決に向かいだしたのである。
つづく
暇があったら、スキミング対策と長期海外旅行に持って行くカードを選ぶ上でのポイントを防犯面から書いてみたいと思う。