さて、仏教正月にタイからカンボジアにやってきたわけだが、シェムリアップの町はいつもと人味違う奇妙な光景が広がっていた。
タイ人、それも5万人規模でタイ人がシェムリアップに殺到しているという。
なんでも、タイを追放されたタクシン元首相がシェムリアップに来ているらしく、その支持者たちが集まっているとのこと。タクシン元首相は、タイのクーデターで失脚し、その後は税金関係の裁判で有罪判決を受けたため今は国外逃亡の形を取っている。
タクシン派の支持者はこぞって赤いシャツを着ている。自家用車、ピックアップトラック、ミニバン、大型バスに赤いシャツのグループがすし詰めになっていたら間違いなくタイ人だ。
バンに
バスに
荷台に
大型2階建てバスに
どうも、カンボジア側の高官がタクシンと数十年来のつきあいらしく、フンセン派ともよい仲らしい。そんなこともあってか、国外追放状態の隣国の首相を大々的に受け入れている。
カンボジア人に聞いてみた
大量のタイ人が来ている、どう思う?、と。
あからさまに嫌だと答えた人は居なかったが、苦い顔をした人は多かった。仕事が増えて良いと言う側面もあるのだろうが、国境紛争やらプレアビヘアやら、歴史的な感情もあるのだろう。特に、シェムリアップを含むカンボジア西部の州は、数百年の間にタイに属したりカンボジアに属したりと忙しかったわけで。
一方で、タイ人を思いっきり歓迎するカンボジア人もいた。彼が言うには、タクシン派は穏健でカンボジアとも有効な関係を築こうとしていると。
タクシン派の2万人規模コンサートが開催されたりもしていた。ちなみに、2012年4月時点でタイの首相はタクシンの妹だ。実質、与党≈タクシン派のような感じである。シェムリアップで大きなトラブルは無かった模様。