噂のシェムリアップ – バッタンバン間のボートに乗ってみたゾ


くれよんナントカ的なタイトルにしてみたが、そんなことはどうてもいい。

ロンリープラネットには、ボートに乗るならシェムリアップとバッタンバンの間が一番良いとしつこいくらいに書いてある。期待は禁物だが、ここはひとつボートに乗って行ってみようということになった。

 

シェムリアップからバッタンバンへはバスなら6ドル前後からある。ボートとなると20ドルかそれ以上してしまう。わざわざ3〜4倍払ってまでボートに乗る意味があるのかと言えば、ある。あるある。

 

前日の夜、シェムリアップ市内のラッキースーパー近くにある旅行会社(洗濯屋を兼ねている)でチケットをゲット。値段を聞くと20ドル。ほかより安かったのでここで決める。ピックアップは朝の6:30だと言う。

 

翌朝、セットしておいた目覚まし時計がなぜか鳴らず、自然の摂理によって6時に目が覚めた。パッキングはあらかた終わっているものの、地味に焦った。

 

テキパキとパッキングを仕上げていると、ノックの音がした。

 

おや?

 

気のせいかと思ったが、もう一度ノックの音がしたので開けてみると、宿のおばちゃんがニコニコしながら立っていた。

 

「タクシィー(ニコニコ)」

 

はやすぎ!

 

 

まだ6:10じゃねぇか、待ってくれ。

 

 

焦ってパッキングをしたが、仕上がったのは6:30だった。20分も待たせたが、約束通りのピックアップ時間なんだからええじゃないか。と勝手に焦って勝手に弁解の言葉を考えていた。宿の前には大きめのバンが停車していて、ドライバーがのんびりと佇んでいた。待ってる間、ほかの宿にピックアップに行ってくれれば良かったのに・・・と思いつついざ出発進行。

 

シヴァタ通りを南に下り、このまま行くと町外れになっちゃうよというロータリーも直進した。

 

おやおや。ピックアップはうちら2人だけ?客いないのか。

 

走ることしばらく、船着き場に到着。船着き場の直前にはきれいめのレストランが建ち並んでいる。

 

 

長いタラップのような下り坂を下りると、ボートが何隻か停泊していた。一番左のボートは簡素で、それ以外は遊覧船的な風格をしている。うちらは一番左のボートに乗るように言われた。

おや、2人しかいないじゃないか(笑)

 

 

荷物をいったん置いて、俺だけ先ほどのレストランで食事をゲットすることにした。レストランの前には「チャーハン2ドル」とか、適当につけたとしか思えない値段設定をしていた。ほかのメニューも全部2ドルだ。いい加減にも程がある。

「バーイサッチュルークある?」とカンボジア語で聞くと、店の主人は「あるある」と。「いくら?」と訪ねると、少し考えた後で「4000リエル(1ドル)」と言ってくれた。グッドプライスじゃないか!と思ってさっそく2人分を持ち帰りにしてもらう。

 

出発は7:30だと言われていたので焦って船に戻り、汗をかきながら朝食を取った。その間、バッタンバンでの宿を仲介する男たちが集まってきてきれいなパンフレットを見せてくれた。

 

それにしても出発しないな。客が居なすぎ運休なんてことは・・・と最悪の事態を想定していると、西洋人の団体がぞろぞろと降りてきた。それを確認したかのように、船着き場に屯していたカンボジア人たちもぞろぞろ船に乗り込んできた。なんだなんだ、満員御礼じゃないか。

 

船着き場から出てすぐに、浅瀬にハマってとっぴんしゃんすることもあったが、おおむね順調に進んでいく。周囲はトンレサップの長閑な景色が広がっている。魚を捕るための網を投げる少年。大きな木を組み合わせて作ったクレーンのようなもので特大のしかけを引き上げる少年。サッパ船を悠々とこぐ少年。なんだ、少年ばかりじゃないか。

 

 

 

途中、フローティング・ビレッヂ(水上に浮く村)をいくつも通過する。ベトナム系、中華系もちらほら見かける。ベトナム語が掲げられた学校らしきものまであった。

 

 

すれ違う子供たちは、ほぼ100%の確率で手を振ってくれる。「バイバーイ」と出会ったそばから別れの挨拶だ。しかしかわいいので細かいことはどうでもいい。俺もバイバーイとめいっぱい手を振る。ボートのエンジンで魚は逃げるだろうし、大きな波で自分の船は転覆しかける(というか実際、1艘の小舟が転覆してた)のにおおらかな対応である。器がでかい。

乗船時間はかなりのもので、もはや湖では無く川だろこれはという蛇行した水路を延々と進んでいく。蛇行っぷりはまさに川だ。デッキに上がって周囲を見渡すと、おそろしく広大な田んぼが広がっている。あぁ、カンボジア。


船内は、西洋人もカンボジア人もいい加減に飽きたらしく、ほとんどが寝こけている。クソ暑いのに他人の肩にもたれて寝る人も多い。

 

 

 

ようやく、文明の利器で作られたとおぼしき現代的な橋が現れた。ここが終点、バッタンバンである。

ボートを降りると客引きがやってきて、ホテルまでタダで乗せてくれる。もちろんコミッション込みだがホイホイ乗ってしまおう。「気に入らなかったらほかに行ってもいいんだ」というお決まりの言葉を受けて、本当にほかを見に3件まわった。エアコンがないが、かなりきれいなホテルでホットシャワーとWi-Fi、冷蔵庫まであるというとんでもなくゴージャスな部屋を6ドルでゲットしてしまった。1人3ドル。12アルゼンチンペソ、24グアテマラケツァル、21ボリビアーノ、90バーツだ。信じられん。

まとめ

時間も金も掛かるが、あえてボートに乗ってみるのもわるくない。途中、一か所だけ食べ物を買える水上商店によるが、できれば事前に食事をテイクアウトした方が良い。シェムリアップ市内で入手できればそれでよし、できなければ船着き場で買える。値段交渉もできそうだ(1ドルで1食くらい)。船内にはトイレがあるが、恐ろしいので使っていない。前述の水上商店ではきれいでナチュラルなトイレが使える。デッキの上は暑いが風もあってきもちいい。船内は人で混み合うがそこがむしろ味だと思う。雨季の方が早い。乾季の方が時間が掛かるだろう。今回は7:40に船が出て15:00過ぎに到着した。

りょう の紹介

東京都品川区で生まれ育つ。サービス業、ホステスクラブ、海外ボランティア駐在員、レストランバー、コンピュータ会社などを経て独立開業。2011年から休業し、夫婦で1年ちょっとの世界一周へ。現在は帰国してイクメン父上に勤しむ。好きな食べ物はナス。言語や歴史に興味あり。コンプレックスは字が汚いこと。好きな言葉は「とりあえずビール」でポッドキャストでは世界のビールを飲み歩く「Beer the World(ビーアー・ザ・ワールド)」を担当。
カテゴリー: バッタンバン, カンボジア タグ: , , , パーマリンク

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